プロ野球(主にホークス)考察ブログ

野球の記事には旬と味わいが必要だ。旬を捉えるのは新聞記者にお任せするとして味わいの部分を探求していくブログです。

プロ野球トライアウト開催

今日はホークスの二軍本拠地タマスタ筑後でトライアウトが開催されました。

 

トライアウトを簡単に説明するとプロ野球球団から戦力外通告等を受けて退団した選手が実戦形式(シート打撃形式)で一人ずつ決められた打席数や対戦打者数を相手にプレーを披露し、プロ球団(やアマチュア球団)のスカウトにアピールする場です。

 

「戦力外になった選手にも公平にアピールする場が与えられる。」というと聞こえは良いですが、当然のことながらここからプロ野球球団に採用される可能性は極めて低く、各球団からすれば「足りないところを埋めつつ伸びしろを見て契約に値する選手がいれば契約する」つまり「いい選手でも選手が足りていれば獲得されない」ですし、今の時代選手の能力もある程度各球団に知れ渡っているので「埋もれていた(知られていなかった)才能を発掘して開花させる!」場合も少ないです。

 

そうなると、プロ野球球団からすれば元々ある程度目星をつけ置いたうえでその選手の最終状態チェックとしてトライアウトでのプレーを見るぐらいの位置づけになります。

 

このように、現実的には一発逆転ができるような、そんな甘いイベントではありませんが、制度としては2001年に始まり、2球場での開催や、トライアウトを経ずして交渉可能であることによる選手会と球団とのいざこざや様々な課題が発生しながらも約20年近くも運用されている制度であり、今年は有料の座席も作られるなど、近年は一つのイベントとしても盛り上がりを見せています。

 

このようにトライアウトの開催は、本来の目的(プロ野球球団への再就職)が達成される確率は低いにも関わず、トライアウトそのもの自体が盛り上がっているのは本末転倒なようにも感じますが、コアな野球(選手)ファンにとってみれば応援している選手が応援しているチームのユニフォームを着た最後の雄姿を見届けることができますし、選手側からしてもこのトライアウトで自分の実力を出し切った上であきらめをつけて次の道に進んでいけるということになります。

このように、最近のトライアウトはファン・選手ともに「思い出作り」としての側面が目的化し、美化されてきた感じも受けます。テレビの特集で「密着取材」が組まれるなど、ちょっと加熱しすぎな気も。。。

 

このように開始から18年経ち、少しづつやり方や雰囲気が変わってきたトライアウトですが、とはいえ今でもトライアウトから採用される選手も居ますし、プロ野球というそもそもが「興行」で行っている業界スポーツにおいて興行として機能し始めている以上、おそらくしばらくは今の形式が維持されるのではないかと思います。

 

ちなみに、今年はホークスでいえば、城所や吉村が参加しており、他球団では阪神の西岡やヤクルトの成瀬も参加したことで今年は話題となりました。城所選手は「キドコロ待機中」のTシャツが作られ、それをイチローが着用するなど話題になりましたが「今は就活中です」とまさにプロの鑑といえるリップサービスまで披露しています。

 

プロ野球選手としての生きざまが凝縮されたトライアウト。

一度は生で見てみたいと思えてきました。