若手の育て方
こんにちは。2日連続の投稿です。
かけるときに書いていこうの精神です。(前日のブログは加筆しました)
今日はプロ野球における若手育成に関するテーマです。
これ、強いチームを作るためには確実に必要不可欠なことなのですが最近のプロ野球は特に若手育成が一種のブームになっています。これは去年広島や日本ハムといった育てることに主眼を置いたチームが優勝したことの影響もあるでしょう。
そして、そのあおりを受けてまだまだやれる巨人の村田選手にはなかなか獲得オファーがない(水面下ではあるかも)ということが起こっています。
実はこの風潮はMLBも同様で35歳を超えるとなかなか買い手がつかない状況になっているのです。
そんな大局論もありますが、今日のテーマはもう少し個によった話を。
それは最近のプロの指導者は最近の若者にマッチするような指導をしようとしているということ。これは結構大事で今の指導者の方々の年代は基本的に「いいから理不尽なことでもやり切れ」と言われてきた人たちが考え方を転換して教えているのです。
一般的な指導で求められることでもある、「若手選手には相手の可能性を信じて相手にあった対応・指導をする」ことが大事といろんなインタビューで語られています。
また、今回ホークスのコーチに就任した久保コーチは「それぞれのキーワードを探す」ことがまず大事と言っています。相手にとって響く言葉をかけてやる気をださせる。自信をつけさせるということに重きが置かれていて、実際複数年コーチとしてやってきた方なのでそれが評価されているということでしょう。
一方、工藤監督の主催する「工藤塾」のような理論だったしんどいトレーニングが必要ということもまた一方で認められていますし、選手の自主トレなどみていてもとにかく基礎の体作りはハードにやっている人が多い印象です。
ここから考えられることは、選手の個性を個性として伸ばしていくとともに基礎力はどんなにしんどくてもそれが理にかなっていればやったほうが良いということのように思います。
例えば、球速をプロ標準とアマチュア標準で10km違うとすると、それに至るまでの体作りは全員がやりなさい。そのうえで変化球のキレで勝負するかスピードで勝負するか、コントロールで勝負するか、また、向かっていくスタイルで抑えるか考えるスタイルで抑えているかはそれぞれの個性の伸びる方向に伸ばしましょう。
と言い換えられるのではないかと思います。
この考えはすごく大切なように感じていて、社会人になってもどのみち「基礎力」は徹底的に覚えこまないといけないし、そのうえで、それがあったうえで個性が生きて実戦経験をたくさん積んでいくというのが良いのだと思います。
ほとんどの企業はその会社やビジネスで通用するための「基礎力」づくりの研修も外部に委託してしまっているし、一方で自主性を重んじた「活躍」のための教育も配置とそこで巡り合う仕事の運に任せてしまっているので、ここに適切な投資(人を雇うとか)していくことが必要ですね。
というか、いわゆる先端の会社はこういうことを当たり前にやっているんだろうな。
理不尽な押し付けに耐える教育から、合理性と個性を重視した教育へ。
そしてそれができる環境の整備に力を注ぐ球団が勝てる時代。
この変化はここ5年くらいで急速に訪れたようにも思います。
10年・20年後はどんなスタイルになるのか。
もしくは5年後はどんなスタイルになるのか、楽しみでもあります。
今日はここまで。
プロ野球をみる視点のおき方
こんにちは。
冒頭関係ない話題ですが最近銭湯が生活にとってなくてはならないものになってきました。頭を使うのが好きな人はまじで銭湯に行くべきです。頭と対極にある感じがしますが、これがまた素晴らしいんだ。(過去25年をもったいなかったと感じるくらい)
調子よく考えているときはよいのですが結構考えることで頭をこじらせ気味になることがあり、こういう時に銭湯に行くと全身に血をめぐらすことで自分が何にこじらせていたかがわかるとともに、それが解きほぐされて一つ上の視点からものを考えられるようになります。
また、こじらせがないときも何かが生まれてきます。これはきっと何かしらやってみたいと思うこと・考えていることが無意識レベルであってそれが顕在化してくるのでしょう。
ということで始まったのがこのブログなわけです。
そしてこのブログを書き始めて「体系化したい」という欲望がふつふつと湧き上がってきたものの「野球って要素多すぎて無理だわ。」となる自分を抑えて今日はノートを手元に取り組んでみています。
そして結論はすぐには出ないのでここで気づいたことをいくつか。
まず、体系化といいつつ大切なのは「何を軸にするか」です。
例えば、「プロ野球の一年の目標=単年度の優勝のために取り組むこと」
とすると、全体の戦略があったうえで
「編成⇒春のキャンプ⇒前半戦⇒後半戦⇒CS⇒日本シリーズ」の中でどう人材をうまくマネジメントして競合相手に上回っていくかということを考える必要があります。これはこれで全体論も個別論もいろいろかけるので楽しいです。
11~1月 | 2月 | 3月 | 4~7月 | 7~10月 | 10月 |
編成 | 春キャンプ | オープン戦 | 前半戦 | 後半戦 | CS/日シリ |
次に、「継続して成果を出す=2~3年後を見通したうえで取り組むこと」とすると、
「上記のサイクル⇒秋季キャンプ⇒ドラフト⇒戦力調整⇒自主トレ」といったところも加わってきて、実際のところこのサイクルをずーっと繰り返しているのがプロ野球において各チームが取り組んでいることです。
1月 |
2月 |
3月 |
4~7月 |
7~10月 |
10月 |
11月 |
12月 |
|
試合 |
自主トレ |
春キャンプ |
オープン戦 |
前半戦 |
後半戦 |
CS/日シリ |
秋キャンプ |
オフ(ゴルフ) |
編成 |
- |
戦力見極め |
トレード |
選手入替 |
ドラフト |
FA/トレード |
契約更改 |
ここまでやることは各球団同じですが、この流れの中でどう動くかは各球団ごとに異なっていて、例えば各チーム2軍や3軍があり「けが人に備えいつでも1軍にあがれる」選手を確保しておくチームもあれば「とにかく若手を鍛える場」として活用するチームもあります。前者は高コスト体質ですが、後者は低予算で実現可能。ただ、前者のほうが戦力に厚みがでるのは確かです。このように、この流れの中で何をやるかは各球団で色が出ます。
そういったところから常勝チームを本気で目指すチームと、3~5年に1回優勝を目指すチームで力の入れどころが変わってきます。それにはその球団の持つビジョンはもちろんこと経営資源としての「ヒト・モノ・カネ」をどう活用するかが大きく影響していきます。
例えばホークスは「今も強くて将来も強い」という王道を歩むことを志向している球団なので2軍には実力者がいて、若手を伸ばすためにほかの球団はやってないのにわざわざ3軍を作って若手を伸ばす機会も作り出しています。他球団と比較すると1.5軍が2軍で、2軍が2軍と3軍に分かれる感じ。
「他球団の1.5軍の選手」をたくさん保持することはそれだけでも高コストにつながりますが、それでも球団単体で利益が出ているので問題ではなくなるわけです。(一方、ダイエー時代末期(とはいえ黄金期)はあまり投資ができなかったのでとにかく1軍と2軍の差が激しかった。。。)
さて、少し話が脱線しましたがここまでだったら書いていくのはなんだかんだ簡単なのです。競争相手も決まっているし、そこに対してどう経営資源を配分していくかの戦いです。これをうまくコントロールするいわゆるGMから監督まで役割分担できているチームは強いです。(そういう意味ではある意味ダイエー末期も強かった・・)
ですが、プロ野球を語るうえで語れないのは「ファン・スポンサー」の存在です。
というか、これなしにはプロ野球(職業野球)は成り立ちません。当たり前ですが。
そうすると各球団運営まで視点が広がり、球団グッズや選手グッズ、球団マスコットグッズの販売、特定のファン層を向けた取り組み(女子高生デーなど)、そして地域密着型での球団運営などいろいろと試行錯誤を組み合わせていきます。こうなったときにチームにとって重要なのが、球団社長から始まり広報まで踏まえて球団としてどんな戦略を描くかということです。
そして、もう少し視点を広げて「プロ野球」という経営体としてみると、競合となるサッカーやバスケなどのスポーツに比べてどう魅力的にみてもらえるかといった視点も加わってきます。
こういうことを考え、体現するのがプロ野球でいえばコミッショナーやNPB事務局の仕事なのですが、ここはまだまだ昔からある産業なこともあり、トップダウンの指導力はサッカーやバスケに比べ劣っているようにも見えます。(大体「野球衰退」といったテーマで記事がかかれるのもこのあたり)
これだけたくさんのテーマがでてくる産業がプロ野球であり、プロスポーツなのであす。そして、もしドラが流行したように、いわゆるビジネス上で大事なことは、かなり野球球団運営との親和性も高いのです。(当たり前ですが)
このことは、いわゆる新興企業として利益を伸ばしている企IT関係企業(横浜・楽天・ソフトバンク)が活況な中苦しむ新聞業界(中日・巨人)という社会の構図を表していたりもします。(しかもこの業界変化はこの3年くらいで顕在化した)
・・・・・プロ野球、語りつくせませんね。
実はそのさらに上位概念から分岐するとアマチュア野球や独立リーグがあるのです。
そして忘れてはならないMLBを含む海外野球事情も。。
これをすべて調べてブログに書き残そうとしていくと途方に暮れてしまうので、いかに選択と集中が大事ということを教えてくれることでもありますね。
FA移籍のみかた
おはようございます。
今日はFA移籍についてとりあげます。
日本では1軍登録期間8シーズンで国内移籍が可能な「国内FA権」を取得でき、9シーズンで「海外FA権」を取得できます。
今年はハムの中田や増井、ホークスでは明石や川島が初めてこの「国内FA権」を取得しました。
一方、アメリカはというと基本的に各個別の契約となっています。なので、日本のように「FA権」という考え方ではなく、「契約期間の満了とともにFA」となります。
今年ダルビッシュがシーズン中にトレード移籍しましたが、これは今年のオフダルビッシュの契約期間満了=FAになることをにらんでのものでした。ダルビッシュを保有する球団(レンジャーズ)からすれば今年ダルビッシュに頑張っても優勝の可能性は薄いし来年は居ない可能性が高いのでそこで働いてもらうよりダルビッシュを欲しい球団に半年早く渡して有望な若手をとったほうが合理的なのです。
日本でいえばこういったトレードをしかけていくのが日本ハムです。今年谷元の中日への金銭トレードが記憶に新しいですね。
というわけで日本と海外の「FA」は大きく概念が異なるのですが、日本国内の変化も見逃せないものがあります。
というのも、今年FA宣言をする選手は以下の選手ですが、「主役」というより「脇役」感が否めません。
大和(阪神)、鶴岡(SB)、大野(日ハム)、増井(日ハム)
過去には広島の木村がFA宣言したものの獲得球団が現れずに西武と育成契約を結ぶということもありました。
FA移籍というと少年時代からスター選手がするものという植込みがありましたが、確実に時代は変わってきていて最近では「より出場機会を得たい」とするFA宣言がかなり増えてきました。
こうなった背景には制度面はもちろんのこと、各球団のパワーバランスの変化もあると考えられます。
まずは制度面、これはものすごくわかりやすくて各球団当該年度の年俸が高い順に(A、B、C)とランク分けがされます。これはあくまで球団内部での年俸を相対評価したものなので、給料がいくらという絶対評価ではありません。
AランクorBランクの選手を獲得するには、獲得する球団は金銭or保障選手を提供する必要があり、過去のFAでも現ホークス監督の工藤やホークスでも元守護神の馬原が保障選手として移籍することがありました。
このことから、獲得する側の球団も補償のない、リスクの低いCランクの選手を中心に獲得する傾向が強くなっていると言えます。それはCランクの選手にとっても移籍のハードルが低いことを意味するので、今年FA宣言したような「貴重なバイプレイヤー」が多くなっているのです。
もう一つは球団のパワーバランスです。
5~10年前は巨人と阪神がなんだかんだ球界の盟主的な位置づけでしたが、ここ5年間連続でパリーグが日本一になった。各球団とも地元密着型の取り組みが進んできて「強いチーム」へのFA移籍に対してファンから良い感情がうまれにくくなっているようにも思います。(感覚的ですが)
また、今までは国内の強い球団に移籍することが一つゴールのような感がありましたがメジャーリーグへの移籍が増えてきたこともあり、これにはポスティングという別の精度もあることによりFAでの大物の国内移籍は相対的に減少しています。
こういった世の中の流れとそれに適合した制度づくりが日本球界に求められるし、同じようにその制度の中でどのように自分のチームを運営していくか、各球団の手腕が試されるようになってきています。
ちなみにホークスはFA移籍は選手の権利だから干渉しない。チームとして足りないピースにはまれば補強する。必要な選手には最大限の慰留をする。ホークスや九州にゆかりのある選手には積極的に投資する。というシンプルな経営方針です。
ここに至るまでに色んな変遷がありました(城島や井口復帰させなかったり)が、最近は方針も定まってきた感がありますね。(松坂の例はありましたが)
今日はここまで