FA移籍のみかた
おはようございます。
今日はFA移籍についてとりあげます。
日本では1軍登録期間8シーズンで国内移籍が可能な「国内FA権」を取得でき、9シーズンで「海外FA権」を取得できます。
今年はハムの中田や増井、ホークスでは明石や川島が初めてこの「国内FA権」を取得しました。
一方、アメリカはというと基本的に各個別の契約となっています。なので、日本のように「FA権」という考え方ではなく、「契約期間の満了とともにFA」となります。
今年ダルビッシュがシーズン中にトレード移籍しましたが、これは今年のオフダルビッシュの契約期間満了=FAになることをにらんでのものでした。ダルビッシュを保有する球団(レンジャーズ)からすれば今年ダルビッシュに頑張っても優勝の可能性は薄いし来年は居ない可能性が高いのでそこで働いてもらうよりダルビッシュを欲しい球団に半年早く渡して有望な若手をとったほうが合理的なのです。
日本でいえばこういったトレードをしかけていくのが日本ハムです。今年谷元の中日への金銭トレードが記憶に新しいですね。
というわけで日本と海外の「FA」は大きく概念が異なるのですが、日本国内の変化も見逃せないものがあります。
というのも、今年FA宣言をする選手は以下の選手ですが、「主役」というより「脇役」感が否めません。
大和(阪神)、鶴岡(SB)、大野(日ハム)、増井(日ハム)
過去には広島の木村がFA宣言したものの獲得球団が現れずに西武と育成契約を結ぶということもありました。
FA移籍というと少年時代からスター選手がするものという植込みがありましたが、確実に時代は変わってきていて最近では「より出場機会を得たい」とするFA宣言がかなり増えてきました。
こうなった背景には制度面はもちろんのこと、各球団のパワーバランスの変化もあると考えられます。
まずは制度面、これはものすごくわかりやすくて各球団当該年度の年俸が高い順に(A、B、C)とランク分けがされます。これはあくまで球団内部での年俸を相対評価したものなので、給料がいくらという絶対評価ではありません。
AランクorBランクの選手を獲得するには、獲得する球団は金銭or保障選手を提供する必要があり、過去のFAでも現ホークス監督の工藤やホークスでも元守護神の馬原が保障選手として移籍することがありました。
このことから、獲得する側の球団も補償のない、リスクの低いCランクの選手を中心に獲得する傾向が強くなっていると言えます。それはCランクの選手にとっても移籍のハードルが低いことを意味するので、今年FA宣言したような「貴重なバイプレイヤー」が多くなっているのです。
もう一つは球団のパワーバランスです。
5~10年前は巨人と阪神がなんだかんだ球界の盟主的な位置づけでしたが、ここ5年間連続でパリーグが日本一になった。各球団とも地元密着型の取り組みが進んできて「強いチーム」へのFA移籍に対してファンから良い感情がうまれにくくなっているようにも思います。(感覚的ですが)
また、今までは国内の強い球団に移籍することが一つゴールのような感がありましたがメジャーリーグへの移籍が増えてきたこともあり、これにはポスティングという別の精度もあることによりFAでの大物の国内移籍は相対的に減少しています。
こういった世の中の流れとそれに適合した制度づくりが日本球界に求められるし、同じようにその制度の中でどのように自分のチームを運営していくか、各球団の手腕が試されるようになってきています。
ちなみにホークスはFA移籍は選手の権利だから干渉しない。チームとして足りないピースにはまれば補強する。必要な選手には最大限の慰留をする。ホークスや九州にゆかりのある選手には積極的に投資する。というシンプルな経営方針です。
ここに至るまでに色んな変遷がありました(城島や井口復帰させなかったり)が、最近は方針も定まってきた感がありますね。(松坂の例はありましたが)
今日はここまで